母音その9、「ɑɪ」をご紹介させていただきます。
アルファベットの「I」。つまり、「I am」の「I」です。
「 ɑɪ 」の音の方向、口の形、舌の位置
「 ɑɪ 」の音の方向は、山
「ɑɪ」の方向は、山、です。
お腹で作った音のパワーを、「ɑ」の音の時には持ち上げて、
決して息を止める事無く(非常に重要)、
「ɪ」で、落としていきます。
「ɑ」「ɪ」と分けずに、音を続ける
ふたつの文字が並んでいると、分けて音を出したくなりますが(日本語がそうですので)、この音を含む、文字がふたつ並んでいる母音はすべて、続けて音を出し続けます。一瞬たりとも途切れません。
「 ɑɪ 」の口の形
口は、まず、ポカンと開けて、
音を持ち上げて「ɑ」を出し、
上下の歯の隙間を残しつつ口を閉じながら、音を落として「ɪ」を出します。しつこいですが、途切れる事なく、音を出し続けてください。
「ɑɪ」の「ɪ」と、日本語の「い」との違い
「ɪ」の見た目が、日本語の「い」を連想させるので、ついつい「い」のように言いたくなってしまいます。「違う音ですよ」とご自身の脳に優しく伝え続けてください。やがて、脳が受け入れてくれる時がやってきます。
具体的な違いですが、
「ɑɪ」の「ɪ」 は、上下の歯の間に隙間があります。また、口がゆるゆるです。
一方、
日本語の「い」は、口角を横にひっぱりますし、歯がかみ合っています。
「ɑɪ」 の唇はとても柔らかく、ゆるゆる
「ɑɪ」 の音を出す間、ずっと唇は柔らかです。触って確認してください。このあたりも、日本語の「い」は、横にひっぱるぶん、唇も突っ張ります。
「ɑɪ」の舌の位置
まずは「ɑ」から。
舌の真ん中に、小さなスプーンが軽く乗っているくらいに、くぼみを作ります。
その状態のまま、口の中に持っていきます。もちろん、最初から口の中だけでこの舌にしていただいても大丈夫です。くぼんでいるところ以外は柔らかく、厚みがある事が大切です。
そして、「ɪ」の時は
舌先が、
舌の前歯の裏側にくっついて、
舌の奥が少し上がり、このような形になります。
「ɑ」の時は鼻から抜けないが、「ɪ」の時に軽く抜ける(抜かなくてもOK)
ここは、だいぶ、悩みました。
「ɑ」の時は鼻から音が抜けないけれど、「ɪ」に移動する際に、かるーーーく抜ける方が、ナチュラルです。なので抜けるとしてご紹介したものの、日本語が基本、鼻から音を抜きまくる音なので、抜きすぎたり、最初から抜いて軽い音になってしまったりしないか、今も気がかりではあります。
軽く抜くのが難しい場合は、抜かなくても大丈夫です。
大切なのは、音のパワー!「ɑɪ」は、山を作る事
「ɑ」で音を持ち上げ「ɪ」で下げていく。
この、音のパワーのあしらいがうまくいけば、伝わります。
「ɑɪ」の、発音練習をしてみましょう 「m」の重要ポイントも
発声練習です。発声練習からスタートするように設定しています。
「time」「I am」の「m」にもご注目
今回は鼻抜けについていろいろ話しましたが、子音では「m」の音をしっかり鼻から抜かないといけません。100%、抜きます。日本語ネイティブは「m」の音を単独で出すのが苦手になりがちです。そのことも紹介しているので、ご興味ある方はご視聴どうぞよろしくお願いいたします。
mはしっかり、口を閉じます。最初のうちは意識的にがっつり閉じる方が良いくらい、日本語ネイティブ出しにくい音です。
最後までお付き合いくださり、ありがとうございました。