今回は母音その４、「ʊ」をご紹介させていただきます。
「ɪ」には名前があるのに「ʊ」には名前がない？
母音３で、「ɪ」（ショートアイ）をご紹介させていただきました。
指で刺している、これですね。この音と、今回ご紹介する「ʊ」は音の方向が同じで、音質が似ているのですが、なぜか、「ɪ」にはショートアイという呼び名があるのに「ʊ」はショートユー、とは呼ばないようです。名前がなさそう。手持ち資料やネットで確認出来ませんでした。といっても、発音記号は、名前が付いているものの方が少ないです。名前がついていて有名なのはやはり「ʌ（アクセントシュワ）」と「ə（シュワ）」でしょうか。
あと、音を出す際、口の形が違います。次に述べます。
「 ʊ 」の音の方向、口の形、舌の位置
「 ʊ 」の音の方向は、下
音の方向は、
下です。一気に落とします（後述します）。
「 ʊ 」の口の形
そして口は、
このように、口角を寄せて、
上下の歯の間にこのくらい、隙間を開けておきます。ちなみに、
日本語の「う」との、口の形の違い
日本語の「う」は、唇全体を、けっこうすぼめます。「ʊ」という見た目が日本語の「う」をイメージしやすく、ついすぼみがちになってしまいますが、「違う音だ」と意識して、
口角だけ、寄せてください。上下の唇は柔らかです。
「 ʊ 」の、舌の位置
舌先は、下の前歯の裏側に付きます。
ここです。
模型でも示してますがここです。
日本語の「う」との、舌の位置の違い
日本語の「う」は舌先が浮いていますが、「ʊ」は舌先が下の前歯の裏側にくっついていて、舌を支えます。
このあたり、「ɪ」とほんと、同じなのですが、
「ɪ」は、口がゆるゆるで、
「ʊ」は
口角を寄せます。マウスで文字を書いていて、字が汚くてすみません。
音は一気に落とし、鼻から抜かない
お腹のパワーを持ち上げて、一気に落とす！！！
お腹で作った音のパワーを、
まっすぐ持ち上げて、
パカッと広がったのどを通って、
舌の真ん中を通って、
ボチョーーーーーッツ！！！！！
っと、一気に落とします。全部まとめて一気に、です。ですので、「ʊ」は、長く音を出し続ける事が出来ません。３秒も持たない。日本語の「う」はその気になれば３０秒、もっと、言い続ける事が出来ますが、これは音のエネルギーを小出しにしているからです。「ʊ」は音のエネルギーを一気に放出します。
「ʊ」は、鼻から音が抜けません。
ですので、鼻をつまんでも、同じ音が出ます。
のどをふさがず、鼻から抜かず、音のパワーを一気に落とす事を、意識してください。
「ʊ」の、発声練習をしてみましょう
「ʊ」の、発声練習をしてみましょう。
参考に「下向きに、ボチョッと落とす！」トリオの「ʌ」と「ɪ」も並べて、ご紹介しています。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
